国産真空管の試験

前ブログの記事(2017/5/14) お引越ししたので再掲

 

現在所持している第二次世界大戦末期に生産された国産真空管の試験を行いました。
まずはオークションで入手したマツダ製のソラ。大戦末期、受信用万能五極管として開発され、航空機用に生産された真空管。ゲッターは残っていたが動作するのか。
       
しっかり点灯してくれました。

絶縁劣化及び電極接触無し。
規格ではgm2000、実測1900弱。問題なく使用できそうです。コレクションになってしまうような貴重な球が生きていると嬉しいですね

お次はマツダの検波増幅用5極管RH-2(昭和19年8月製造)。金属シールドで覆われ、管上部にプレスで型番がつけられています。

点灯しました。

gm3000のところを実測2600。いい感じです

実はRH-2は三本所持しているのですが、二本目はヒータ断線の不良球でした。悲しいですね・・・

気を取り直して三本目(昭和18年12月製造)。こちらは管上部に型番のプレスは無く、側面にペンキで印刷してあるだけでした。ここからは推測ですが、RH-2の生産が始まった時、メーカはまだRH-4やRH-8といった球(それぞれRH-2のgmを4000、6000にしたもの)の生産について計画していなかった、もしくは気が回っていなかったのではないでしょうか。同様のメタルシールド管を製作することになって初めて管を区別する必要が生まれたため、管上部に管名をプレスすることに決めたのだと考えています。私が生まれるずっと前の話なので、この記事をご覧になったどなたかご存知でしたらご意見をいただけると助かります。
閑話休題、まずはヒータが点灯するかどうか・・・

点灯しました。よかったよかった
実測gmはおよそ2700。良好です
最後は先ほど話題に挙げたRH-4。


少々見づらいですが、点灯しています。
gmは6900程度。かなり良いです。RH-8と間違えたかな?と思ってしまうくらいでした。

今回測定に使用した真空管試験器はCT160です。貴重な試験器をお貸しいただいたYRさんにこの場をお借りして感謝申し上げます。また、測定にあたり真空管のデータを「受信用真空管一覧」(市岡太郎編、一正堂書店発行、敬称略)から引用しました。このため本来(設計としては)2000、4000、8000であったとされるRH-2、RH-4、RH-8のgmをそれぞれ3000、4000、6000としています。
追記:CT160でどなたか測定を行う方がいらっしゃったらと思い、電極接続用に以下の画像を添付します。左から121415360です。ヒータ電圧12.6V、陽極電圧250V、遮蔽格子電圧100V、第一格子入力電圧ー2.0Vです。陽極電流は0~10mAの間で十分測定できると思います。

追記2:送信用三極管T-307も試験しましたが、内部にガスがあり不良球でした・・・