これまで書いた同人誌まとめ

これまで書いた同人誌について

 

・.球石混淆(初出:技術書典7)

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真空管に関して色々書かれた同人誌

ヤギ型トランジスタ氏の真空管製造に関する記事がメイン 編集作業はmizuho氏にお世話になりました

自分は試験器のレビューや収納用の箱といった細々した記事を書きました

 

・基板加工機2020(初出:技術書典 応援祭)

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基板加工機について書かれた同人誌

前半がOperalegend氏の基板加工機比較記事、後半が自分の基板加工機購入記事になります

 

・光る源氏(初出:技術書典11)

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小型分光器を使った光に関する同人誌

海苔巻氏が吸光光度計の製作とそれを用いた測定の記事、自分が分光測定の概説を書いています

 

技術書典マーケットにて電子版を各1000円で販売中 気になったら買ってね

これからも1~2年に一冊くらいのペースで同人誌を書きたいですね

 

以上

W80xマイコンの開発環境構築

Aliでふと見つけたW80Xシリーズのマイコン 800,801,806等あるらしい

チップ単体でだいたい130円程度、評価ボードが300円強(いずれも送料含めず)

WinnerMicro W806 などで検索するといくつか記事が出てくるが、まだマイナーなようで日本語の記事が全然出てこない。英語と中国語が中心

 

とりあえず評価ボードをAliで購入し、到着を待つ間に開発環境を整えることに

 

環境は以下のページを参考に導入

itelitesblog.com

 

英語読みたくね~な人もいると思うので以下自分が試した手順を記載

 

CDKをダウンロードするためocctheadにユーザ登録

工具→集成开发环境-CDKを選んで最新バージョンのCDKをダウンロード(下载)

記事執筆時はv2.12.1が最新でした

zipを解凍してsetup.exeを開き、Dドライブに適当なフォルダを作ってインスコ

インスコ中にgithubからワークスペースのファイルを拾ってくる

github.com

cloneでもzipダウンロードでもいいからローカルに落として適当なフォルダに入れる

自分はCDKの近くのフォルダに配置

CDKを立ち上げたらメニューからProject->Open Multi-Project Workspaceを選択し、

配置したフォルダ\wm-sdk-w806-main\tools\W806\projects\SDK_Project\project\CDK_WS\W806_SDK にあるW806_SDK.cdkwsを開く

これで開発環境は整ったはず

f:id:ozemmiku:20220126054911p:plain

main.cを表示している

純正のライタはCK-linkというものがあるが、そんなの持ってないよ!ということでupgrade_Tools.exeというものを使う

まずはここからW800串口烧录工具_V1.4.8(.rar)をダウンロード(下载)

h.hlktech.com

解凍してCOMポートを選び、左下のボタンからシリアルポートを開く

...をクリックして\wm-sdk-w806-main\bin\W806\W806. flsを選択

(以下基板が届いてないので訳のみ)ダウンロード(下载)のボタンをクリックしたらWaiting for restarting device...の表示を待ち、基板のリセットボタンを押してダウンロード開始

Download "wm-sdk-w806-cdk/bin/W806/W806.fls" file success!の表示が出たら基板のリセットボタンをもう一度押す

うまくいっていれば基板上のLED3つが光るっぽい

 

基板が届いたら続きを書くかも

 

以下余談

純正のCK-linkはtaobaoで売られているらしいが、STM32F103で自作できるよ、という記事

oshwhub.com

基板を起こしているが、bluepillでもできるのだろうか

 

国産軍用真空管Hシリーズコンプリート等

前ブログの記事(2018/3/2) お引越ししたので再掲

 

なんやかんやあって二、三年ほど集めていた国産軍用管Hシリーズの収集がひとまず完了しました。(下写真)

左上段から順に
周波数変換用七極管 CH-1(遮蔽管の形状より初期型と推定、後述)
検波用双二極管   DH-2
検波増幅用五極管  RH-2GT
同         RH-2(初期型と推定、後述)
電力増幅用ビーム管 PH-1
全波整流用双二極管 KH-2
万能五極管     ソラ
          RH-2(後期と推定)
高周波増幅用五極管 RH-4
gm五極管     RH-8    です。
このうちCH-1、RH-2(GT含む)、ソラ、PH-1、一部RH-4は前回に引き続きYR氏よりお借りしているCT160を用いて試験を行い、規格表と照合して問題なく使える球が手元に各一本以上存在することを確認しました。

次に、CH-1及びRH-2の初期型推定についてです。
まず、下の写真をご覧ください。


どちらも同じRH-2ですが、遮蔽金属筒の爪部形状及び管の全長が異なります。
次の写真にいきましょう。

先程と左右逆にして写真を撮ってしまいましたが、右が先程の写真で左側にあった球(S18製造)です。左側の球は別の球ですが、先程の写真で右側にあったものと変わりません。比較すると右は管頭になにもありませんが、左は管頭に管名がプレスされて印字してあります。
また、CH-1にも同様の変更がみられると推測されます。

上の画像は金属筒が錆びてしまっていますが、管頭下部に1と書いてあるのが確認できます。
Hシリーズで1が付きかつ遮蔽筒が存在しているのはCH-1のみなのでCH-1と予想し、金属筒をニッパで開きました。

グリッドの本数と他のHシリーズにみられない構造からCH-1であると断定しました。
さらに、遮蔽筒を見るとRH-2の後期型と同様の爪形状であることも確認できます。

これらの事実と推測から想像するに、以下のような経緯で形状が変化したと思われます。
まず、Hシリーズ量産にあたり、同一の金属筒を用いてCH-1、RH-2が生産開始。遮蔽筒側面の印字で区別。
次に、遮蔽筒側面のみではCH-1とRHタイプの区別がつけづらい(管頭からみたらわからない、印字消え等?)ことから管頭にプレス印字する方式に変化。RH-4、RH-8の生産開始とどちらが先かわかりませんが、そのことも影響していると考えていますがあくまで推測の域を出ません。ついでに金属物資の不足から遮蔽筒の全長も減らしたのではないかという予想です。

以上、現在私が考えている事を軽くまとめてみました。しかしながら、サンプル数の不足と私の不勉強により現状では仮説止まりです。どなたかこれらの真空管をお持ちの方、また文献や製作話等ご存知の方がいらっしゃいましたらコメント等いただけると幸いです。勿論それ以外の方からのコメントもお待ちしております。

あと、ビーム管PH-1を測定する際、規格表に記載されている動作例の陽極電流値が4.5もしくは5mA程度となっているものは信用しないほうがいいです。元気に生きている球であれば軽く4,50mAは流れます。私が所持している本だと受信用真空管一覧(市岡太郎編、一正堂書店、S22発行)、最新内外真空管マニアル1948年版(日本ラジオ技術協会編、新興出版社刊、S22発行)は規格表の値が間違っていることを確認しました。電波日本vol40,No.6(日本電波協会発行)の該当記事やラジオ技術教科書下巻、ラジオ技術者必携最新真空管便覧 送信管・受信管・特殊管(守田栄編、オーム社、S22発行)を参考にするといいと思います。特に前者はEp-Ipグラフも記載されているのでおすすめします。

以上、長々と失礼しました。
D球アンプ?まだです・・・

国産真空管の試験

前ブログの記事(2017/5/14) お引越ししたので再掲

 

現在所持している第二次世界大戦末期に生産された国産真空管の試験を行いました。
まずはオークションで入手したマツダ製のソラ。大戦末期、受信用万能五極管として開発され、航空機用に生産された真空管。ゲッターは残っていたが動作するのか。
       
しっかり点灯してくれました。

絶縁劣化及び電極接触無し。
規格ではgm2000、実測1900弱。問題なく使用できそうです。コレクションになってしまうような貴重な球が生きていると嬉しいですね

お次はマツダの検波増幅用5極管RH-2(昭和19年8月製造)。金属シールドで覆われ、管上部にプレスで型番がつけられています。

点灯しました。

gm3000のところを実測2600。いい感じです

実はRH-2は三本所持しているのですが、二本目はヒータ断線の不良球でした。悲しいですね・・・

気を取り直して三本目(昭和18年12月製造)。こちらは管上部に型番のプレスは無く、側面にペンキで印刷してあるだけでした。ここからは推測ですが、RH-2の生産が始まった時、メーカはまだRH-4やRH-8といった球(それぞれRH-2のgmを4000、6000にしたもの)の生産について計画していなかった、もしくは気が回っていなかったのではないでしょうか。同様のメタルシールド管を製作することになって初めて管を区別する必要が生まれたため、管上部に管名をプレスすることに決めたのだと考えています。私が生まれるずっと前の話なので、この記事をご覧になったどなたかご存知でしたらご意見をいただけると助かります。
閑話休題、まずはヒータが点灯するかどうか・・・

点灯しました。よかったよかった
実測gmはおよそ2700。良好です
最後は先ほど話題に挙げたRH-4。


少々見づらいですが、点灯しています。
gmは6900程度。かなり良いです。RH-8と間違えたかな?と思ってしまうくらいでした。

今回測定に使用した真空管試験器はCT160です。貴重な試験器をお貸しいただいたYRさんにこの場をお借りして感謝申し上げます。また、測定にあたり真空管のデータを「受信用真空管一覧」(市岡太郎編、一正堂書店発行、敬称略)から引用しました。このため本来(設計としては)2000、4000、8000であったとされるRH-2、RH-4、RH-8のgmをそれぞれ3000、4000、6000としています。
追記:CT160でどなたか測定を行う方がいらっしゃったらと思い、電極接続用に以下の画像を添付します。左から121415360です。ヒータ電圧12.6V、陽極電圧250V、遮蔽格子電圧100V、第一格子入力電圧ー2.0Vです。陽極電流は0~10mAの間で十分測定できると思います。

追記2:送信用三極管T-307も試験しましたが、内部にガスがあり不良球でした・・・